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解雇・退職③ Q 従業員を解雇したが,将来裁判等が起こされ,解雇が無効とされた場合,どのような不利益が生じるのか。

2013年3月21日 労働

A 解決までに要した期間分の給与の支払いが命じられる可能性があります。

適法有効に従業員を解雇することが難しい場合,合意での退職を促すことが望ましい,というのが前回の内容ですが,仮に解雇をして裁判を起こされ,敗けてしまった場合どのようなことになるのか,という点がはっきりしないと実感が伴わないかもしれません。
 解雇は労使間の労働契約を使用者が一方的に解消することをいい,違法な解雇は無効であるとされますが,「解雇が無効である」ということは,解雇の日以後も法律上は労働契約関係は続いていたということになります。そして,実際には仕事をしていない解雇以後の期間についても,仕事をしていないのは無効な解雇をした使用者の責任であるということになります。
 その結果,細かな点を除き大雑把に言うと,「解雇日以降解決までの間に支払っていなかった毎月の給与」「今後の給与支払日毎の給与」を支払うことが必要ことになります。月給30万円の従業員を解雇し,解決まで半年かかったと仮定すると,一括で180万円の支払い,またそれ以後も毎月給与を払い続けなければならないことになってしまいます。
 通常,解雇の有効性が争われる場合,最終的な解決まで解雇日から相当の時間がかかり,最終的に支払わなければならない金額は解決までの間毎月金額が増えていきますので,無効な解雇をして裁判等で争うことになると会社にとっては極めて大きな負担となります。
 このような後日の負担を考えると,従業員を解雇するというのはリスクが高い行為であるということがお分かり頂けるかと思います。一時的に多少の負担をしてでも従業員との間で合意による退職を促す方が,結果として傷が浅く済むことも多いといえます。



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