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有給休暇④ Q 従業員の有給休暇が未消化のまま残っている。翌年以降に繰り越しをしなければならない?

2013年5月29日 労働

A 有給休暇が発生した日から2年後までは繰り越しが必要になります。

 有給休暇について、特に中小企業では1人休んでしまうと人手が足りなくなる、有給を消化しづらい雰囲気があってなかなか消化できない、などといった話をよく聞きますが、有給休暇について、消化せずにいるとどうなるか、というのが今回の内容です。
有給休暇を取る権利(年休権)は労働者の会社に対する請求権であるとされ、2年間で時効にかかる(労基法115条)とされています。つまり、2年間消化せずにいる行使できなくなってしまうことになりますが,他方で法律上2年間は有効に使えるものですので、就業規則等で翌年への繰り越しを認めないと規定したとしても、そのような規定は無効とされます。
 ここで、前年からの繰り越しが生じた場合にそのまま消化せずにいると、ある時期において、昨年の繰り越し分と今年新たに発生した年休権が混在することになりますが,上記の2年間という時効期間があるため、この場合に従業員が有給を消化すると、消化されるのは昨年分と本年分いずれであるか、という問題が生じます。
 このような場合について、まず従業員自身がいずれを消化するかを指定すればその通りになります。しかし、指定がない場合については,従業員に有利に昨年分と推定する,という考えが有力ではありますが,他方で今年分から消化すべきとの説もあり,明確には定まっていません。
 後になって問題とならないよう,会社内でルールを明確にしておくことが望ましいといえるでしょう。



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