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法人の破産とは?

破産手続とは、裁判所を通して、会社の財産を債権者の平等に分配する手続を言います。

「借金を返すことができない」、「会社を今後継続的に経営していくことが難しい」という場合の選択肢の一つとして破産があります。

破産をすると、基本的に会社の事業は継続することができなくなるため、自分が苦労して経営してきた会社を手放すことと同じであり、経営者には覚悟が必要とされます。

 

破産手続を選択しなければならない場合

1 債権者(銀行などの金融機関も含む)の中に話し合いに応じず、強制執行を行うなど、強硬姿勢を崩さない者がいる場合
 
2 任意整理のような私的整理手続を妨げる存在の関与がある場合
 
3 債権者により破産が申し立てられた場合

 

破産のメリット

債務が免除されるため、返済の資金繰りを考える必要が無くなる、今後は取り立てがなくなる。

・倒産するのなら、わざわざ裁判所を通して手続をする必要がないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、裁判所を通して破産手続をするからこそ、債権者はどうしようもないためあきらめるのであり、きちんとした手続をしなければ、請求を続ける債権者もあるのです。
 
・破産手続をすることにより、債権者も債権の損金処理等が容易になるため、債権者にとってもきちんとした手続を踏むことは重要です。
 
・債務を全て精算できるため、資金繰りに追われる日々からも解放されます。
 
・感情的な債権者も裁判所の手続には従うのが通常です。
 
 

破産のデメリット

・会社の再建が困難

多くの中小企業においては、経営者も会社の債務を連帯保証していることが多く、会社が破産する場合は、同時に経営者も破産する必要が生じます。
そうすると、経営者が新たに借入をすることは困難となり、再び事業を立ち上げることは困難になります。

(なお、資金の問題さえクリアできれば、法的に破産した経営者が新たに事業や会社を立ち上げることに問題はありません)
 
・債権者への経済的損失

破産の手続をした場合、通常は、債権者への配当はかなり低い弁済率でなされるため、債権者に経済的不利益を負わせることになります。

(ただし、これはすでに破産状態に陥っている会社の場合は、もともと支払ができない状況にあるのですから、厳密には破産をすることのデメリットにはあたりません)
 
・従業員の雇用問題

破産手続が開始すると、原則として従業員は解雇せざるを得ません。

 

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◆従業員に対する対応   ◆破産後の経営者の生活について
◆任意整理           ◆自己破産

 
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破産

様々な理由から、「もうこれ以上会社を継続的に経営していくことが難しい」という倒産状態にある企業を法律に従って処理する手続きを「破産」といいます。

破産手続は裁判所に申し立て、裁判所から破産管財人が選任され、会社の財産を債権者に公平に配当する手続きです。

破産をすると会社は消滅してしまいます。
苦労して築き上げてきた会社を失うことは経営者にとっては苦痛です。

破産手続きを選択しなければならない場合

1.債権者の中に話し合いに応じず、強制執行を行うなど、強硬姿勢を崩さない者がいる場合
2.任意整理のような私的整理手続を妨げる存在の関与がある場合。
3.債権者により破産が申し立てられた場合

 

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倒産処理の種類

倒産手続は、まず、裁判所を通さない「私的整理」と裁判所を通した「法的手続」に分けられます。

「私的整理」は、債権者と月々の借金の返済額を減額する交渉をし、返済期間を延ばしたり、借金そのものを一定程度カットしてもらう交渉をすることをいいます。

ただし、このような私的整理は、強制力がないため、必ずしも債権者の協力が得られるわけではありません。
そこが私的整理の難しいところです。

債権者の数が多い場合も、各債権者の足並みが揃わないことも、私的整理が簡単ではないといえます。

 

「法的手続」には、「再建型」と「精算型」があります。

「再建型」は、会社更生や民事再生という手続をすることになります。
ただし、業種によっては、再建型の手続をしても、取引を停止する債権者がいたり、資金繰りに目処が立たず、清算型に移行を余儀なくされる等の問題が生じる場合があります。

再建のための資金を提供してくれるスポンサーがいるような場合は、再建型の手続を取りやすいと言えます。

「清算型」には、破産手続や特別清算があります。特別清算は破産よりも簡易な手続で進めることができますが、債権者が金融機関のみであればスムーズに進めやすいですが、頑なな態度をとる債権者がいる場合は難しいと言えます。

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破産のメリット・デメリット

破産のメリット

債務が免除され返済や取立てにあわない
「どうせ倒産するのであれば、わざわざ裁判所を通して、破産手続きをしなくてもいいのではないか?」とお考えになる方もいます。
破産手続きをとらなければ、債権者から請求を受けることになります。
破産手続きによって、会社の財産を平等に配当し、債権者の混乱を抑えることができるのが大きなメリットといえます。

債務を全て清算でき、資金繰りに追われる日々からは解放されます。
 

破産のデメリット

会社の再建が困難
多くの中小企業において、経営者が会社の債務保証をしている場合も少なくなく、会社の破産手続と同時に経営者自身も破産手続をする必要が発生します。
経営者自身が破産をしてしまうと、その後金融機関からの借り入れが不可能となり、再び会社を築き上げることは難しくなります。その点、再建の場合であれば、引き続き会社の経営を続けていくことが可能です。

債権者への経済的損失
例えば、民事再生を行う場合は、破産をした際の弁済率を下回る再生計画が認可されません。民事再生を行うことが可能であるのに破産の手続を選択した場合、債権者は民事再生の場合よりも弁済額が少なくなってしまいます。

従業員の雇用問題
破産により会社が消滅した場合、ほぼすべての従業員が職を失うことになります。これが再建型の場合であれば、リストラなどにより多少の人員整理は避けられませんが、全従業員が職を失うという最悪の事態は避けることができるでしょう。

社会経済上の損失
破産手続が開始されてしまうと会社の営業を継続することは出来ません。製造業の場合などは、工場の稼動を停止せざるを得ませんので、仕掛品を完成させることも出来ず、廉価で販売、または廃棄することになってしまいます。破産手続においてはこういった社会経済上の損失も発生するのです。

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破産の原因

破産の原因には、大きく分けると2つの場合があります。

 

1 債務超過の場合

会社の財産をすべて処分しても、債務を完済することができないことを債務超過状態といいます。

債務超過の場合は、破産することができます。

 

2 支払い不能の場合

会社に支払能力が無く、継続的に弁済を続けることが不可能な場合や、すでに会社が借金の支払いを停止しているような場合には、「支払い不能」とみなされ、破産することができます。

一時的に多額の借金があっても、今後の成長が強く見込まれるような場合は、支払い不能にはあたらないこともあります。

支払い不能かどうかについては、判断が難しいので、専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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従業員に対する対応

会社の破産に伴い、多くの場合、従業員を解雇せざるを得ません。

会社経営者としては、会社を破産する場合には、これまで会社を支えてくれた従業員に対して、できるだけ誠意ある対応をしたいと思う方が多いと思います。

また、従業員の生活だけは守ってやりたいと思う方が多いでしょう。

しかし、会社が破産する状況では従業員の給与の未払いがあったり退職金を準備できないこともよくあることです。

このような場合は、独立行政法人労働者健康福祉機構という公的機関が、従業員の未払い賃金を立て替えてくれます。

(条件がありますので、全ての未払い分を立て替えてくれるわけではありません。
また、立て替えといっても、その後は破産するので、会社財産から労働者健康福祉機構に配当することとなります。)

未払い賃金立替制度

退職した日の6ヶ月前から、未払いとなっている毎月の給与や退職金を80%まで立て替えてくれます。

(ボーナス、社宅費用、解雇予告手当等は含まれません)

同制度が適用される従業員

1 倒産した会社が労災保険に加入していて、そこで1年以上雇用された人

2 会社の倒産で退職して、毎月の給与や退職金が未払いの人。

3 会社が倒産した日の6ヶ月前から2年間の間にその会社を退職した人。

*取締役などの役員には適用されません。

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破産後の経営者の生活について

会社が破産する状態の場合、経営者が会社の債務を連帯保証していれば、経営者も破産等の手続を考えなければなりません。

仮に、経営者が破産した場合に、今後の生活がどうなるかについて説明します。

 

1 家族名義の財産は原則として、関係ない。

破産直前に、例えば自宅の名義を妻に移したというような場合は、問題になりますが、長い間、家族がそれぞれ形成した財産は家族のものであるのが原則です。

したがって、経営者が破産したからといって、基本的に家族の財産には影響がありません

 

2 破産の場合の自由財産

経営者が破産する場合でも、99万円までの財産は自由財産として保持し続けることができます。
当面の間の生活費程度は保持することができるということです。

 

3 新たに得た財産は、破産者のもの

破産手続申立後に、新たに職を得て働いて給料を得た場合は、その給料等の財産は配当の原資にはなりません。破産者が自ら保持してよいのです。

 

 

 
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任意整理

①弁護士が,裁判所を利用しないで
②各債権者(サラ金業者など)と個別に交渉をすることにより
③残債務額を確定し,支払方法を決めるものです。

裁判所を利用しない点で,特定調停や個人再生とは異なります。
各債権者との話し合いですから,裁判所を利用する場合のように強制力はありません。

利息制限法を超える利息を請求している債権者への借金は,利息制限法の範囲で引き直し計算をする結果,借金は減額されます。
 
利息制限法による引き直し計算をした結果,残った借金があまり大きくない人に向いている手続といえます。

任意整理のメリット・デメリット

メリット

・弁護士の介入により,取立てが止まります。

・債権者との話がまとまるまで,一時的に支払を停止することができます。

・借金をした理由は問題になりません。

・利息の高い業者についてのみ整理をし,銀行などの利息の低いものはそのまま支払い続ける事も可能です。

・保証人にはどうしても迷惑をかけられないという事情がある場合に,保証人がついている借入についてのみ,手続を行わないで支払を続けることもできます。

・利息制限法で認められている範囲の利息で引き直し計算をすることにより借金の減額が可能となります。

デメリット

・信用情報機関に事故情報として登録される(いわゆるブラックリスト)ので, 手続をしてから5年から7年の間は新たにクレジットカードを作ったり,金融機関からの借入が難しくなります。

借金が減額されると言っても,利息制限法による引き直し計算をした後の金額よりも,さらに減額することは困難なので,個人再生などと比べると減額の幅は小さくなります。

任意整理手続~解決までの流れ

1 相談・依頼を受ける
原則として,依頼を受けたその日又は翌日には債権者に受任通知を送付します。FAX番号が判明している業者については,FAXで送付しますが,休日の場合はすぐには届かないことがあります。

2 債務額の調査
業者から取引履歴を取得して,利息制限法に基づく引き直し計算をして,借金の残額がいくらかを確定します(過払い金の有無もこの時点で判明します)。

3 和解契約の締結
月々の支払可能な額と借金の総額を照らし合わせて,無理のない返済計画を立て,相手の業者と交渉します。
過払い金がある場合には,最近は訴訟提起をしないときちんと返還しない業者が多いので,その場合は訴訟を提起します。

4 支払の開始
弁護士から,各業者への月々の支払額と振込先等が記載された返済計画表をお渡ししますので,そこから支払開始となります。

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自己破産

①自分の財産と借金を比較して,返済できなくなった場合(借金の方が多い)に
②裁判所に申立てをし
③財産があれば,それを債権者に平等に分配し
④借金については全額免除してもらう手続です。
※厳密には,自己破産手続は,「破産手続=財産を債権者に平等に分配する手続」と「免責手続=債務がなくなる手続」との2つに分かれています。
借金がなくなるというのは,免責手続において,裁判所から「免責決定」が出されてはじめてそうなるのです。

そして,破産法は免責不許可事由というものを定めていますので,免責不許可事由がある人は破産手続をしても借金はなくならない可能性があります。
典型的な例で言うと,借金の主な理由がギャンブルや浪費にある場合には,免責不許可になりやすいと言えます。

自己破産のメリット・デメリット

メリット

・弁護士の介入により取立てが止まります。
・すべての借金がなくなります(税金等の支払義務は残ります)。
・破産手続が終了した後の収入は,自分の生活再建のために使うことができます。

デメリット

・信用情報機関に事故情報として登録される(いわゆるブラックリスト)ので, 手続をしてから5年から7年の間は新たにクレジットカードを作ったり,金融機関からの借入が難しくなります。
・官報に掲載されるので,完全に秘密にすることは難しいです(ただし,通常は官報をくまなく見る人はあまりいないと思われます)。
・職業によっては,免責決定が確定するまでの間就業できないものがあります(弁護士,保険外交員,警備員など)。

自己破産手続~解決までの流れ

1 相談・依頼を受ける
原則として,依頼を受けたその日又は翌日には債権者に受任通知を送付します。FAX番号が判明している業者については,FAXで送付しますが,休日の場合はすぐには届かないことがあります。これにより,取立てが止まります。

2 債務額の調査
業者から取引履歴を取得して,利息制限法に基づく引き直し計算をして,借金の残額がいくらかを確定します(過払い金の有無もこの時点で判明します)。

3 申立て書類の準備
戸籍謄本,住民票,財産関係の書類等を準備していただきます。
弁護士と打ち合わせをしながら,必要な書類を準備・作成し,裁判所に申立てをします。

4 破産手続開始決定
特に問題がなければ,手続がスタートします。
財産がほとんどない場合には,同時廃止と言って,手続を開始したと同時に終了します。

5 免責決定
免責決定がなされると,借金はなくなります。

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個人再生

個人再生とは

①多額の借金を抱えて返済できなくなった人が
②全債権者に対し,一定の範囲で借金の金額を圧縮し,原則として3年の支払計画を裁判所に申立てをし
③その計画が裁判所に認められた場合に
④計画通りに支払をすると残りの債務が免除されるものです。

個人再生手続のメリット・デメリット

メリット

・弁護士の介入により取立てが止まります。

・借金の大幅な減額が可能となります。これは,利息制限法の制限を超えている利息を取っているかどうかに関係なく,おおよそ8割の債務が免除されます(小規模個人再生の場合。ただし,後述するように精算価値保障原則があります。)。

・自己破産のように資格制限や職業の制限がありません。

・住宅ローン特則条項を利用すれば,住宅を保持することが可能になります(ただし,住宅ローン部分の借金は減額されません)。

・自己の財産はそのまま持ち続けることができます(ただし,精算価値保障原則有り)。

・積立型の生命保険等もそのまま加入を続けることができます(ただし,精算価値保障原則あり)。

・自己破産のように免責不許可事由がありませんので,ギャンブルや浪費が原因で借金がふくらんだ場合も可能です。

・自己破産だけは絶対にしたくないという人も,自己破産を回避しつつ,生活の再建を図ることができます。

デメリット

・信用情報機関に事故情報として登録される(いわゆるブラックリスト)ので, 手続をしてから5年から7年の間は新たにクレジットカードを作ったり,金融機関からの借入が難しくなります。

・借金が全額免除されるわけではないので,安定した収入がないと個人再生手続を使うことは困難です。

・官報に掲載されるので,完全に秘密にすることは難しいです(ただし,通常は官報をくまなく見る人はあまりいないと思われます)。

個人再生手続~解決までの流れ

1 相談・依頼を受ける
原則として,依頼を受けたその日又は翌日には債権者に受任通知を送付します。FAX番号が判明している業者については,FAXで送付しますが,休日の場合はすぐには届かないことがあります。

2 債務額の調査
業者から取引履歴を取得して,利息制限法に基づく引き直し計算をして,借金の残額がいくらかを確定します(過払い金の有無もこの時点で判明します)。

3 申立て書類の準備
戸籍謄本,住民票,財産関係の書類等を準備していただきます。
弁護士と打ち合わせをしながら,必要な書類を準備・作成し,裁判所に申立てをします。

4 個人再生手続開始決定
特に問題がなければ,手続がスタートします。
遅くとも,この時までには毎月支払う予定額以上の金額を積立てする必要があります。

5 再生計画の認可決定
裁判所から認可決定がされ,確定した後に支払を開始します。

※個人再生手続には,小規模個人再生,給与所得者再生があり,さらにそれぞれに住宅ローンの特則をつけて申立てをすることができます。
どのような場合に,どの手続をとることが可能かは,複雑な要素がありますので,ご相談の際に弁護士のアドバイスを参考にしてください。

 

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